凸凹デコボコフレンズ WEST中サッカー部

フツーの中学の凸凹な面々の部活サッカーを追ってます。

変革

凸凹フレンズは今、応援したいチームになりつつある。

これまでしれっとした連中だったし、内弁慶だったし、挨拶も下手だった。

だが、中2になってWEST中の看板を背負うようになって、かわいくなった。

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この変革の第一歩はキャプテンだ。

選ばれたのは、私にとって大穴のLeoだった。

Leoはセンスも実力もある選手だが、何せ表現が苦手なタイプだった。抱負をどうぞ!などと振られた時は固まっていた。がむしゃらに頑張る姿を見せるのも恥ずかしいのか、上の世代とプレーすると借りてきた猫みたいに小さく見えた。

この目立たぬ実力者Leoを1番目立つポジションに押し出したのはコーチ陣だ。

今になってなるほど、と思う。Leoをチームの顔にしたことで、変革が起こった。

まずは挨拶が変わった。Leoがするならみんなするのだ。Leoが好きだからなんだろう。試合にも変化が表れた。Leoが1番頑張っている。チームを背負っている。コーチ陣からも厳しく要求されている。これまで、負けかかった試合では、存在感が薄くなっていくことが多かったLeoが、こんちくしょうと頑張り始めたのだ。それこそ足がつるまで。

周りも意地の出てきたLeoに続くようにファイトし、どんどん1枚岩になっていった。

試合では、凸凹フレンズの声を聞いてほしい。あんなに声を出さなかったLeoがみんなを励ます声をかけるようになったものだから、周りもじゃんじゃん声をかけて助け合うようになった。負けかかる時に、かつてのように決壊しなくなってきたのだ。

新チーム発足後、しばらくは引き分けが多かった。しかし、GK Youをけがで欠いて試合をしていた期間、私はむしろ負けなくなったなぁと感心していた。これまでは責任を押しつけ合って、踏ん張れない連中だったからだ。長く彼らを見ている私には、うれしい変化だった。

 

12月には、TRMの応援に行った保護者にさっと立って挨拶をするようになった。(なぜ、中1の時にこれができなかったか、不思議だが)とにかく、みんながオープンになった。

 新人戦の前夜、個人的にうれしいことがあった。集合時刻が曖昧だったKinがLeoに電話で確かめていた。その電話を、「うん、勝とうな!」とKinが切った。聞こえはしなかったが、Leoが「明日、勝とうぜ!」と言ってくれたんだと思う。たいしたこともできないかもしれないKinに期待してくれてうれしかった。チームの中心にいるLeoが素直にそんな声をかけられる男になっていて頼もしかった。

 

私は新人戦のビデオを編集した。(ボールが外に出てリスタートするまでを部分削除するだけだが。)ところがあまり削除できなかった。Youの声、Kinの声はもちろん、Leoの声、Reoの声、Yuiの声・・・が絶え間なく聞こえたからだ。ゴールを決めた後も「ゆるめるな」「まだまだぞ」「こっからぞ」の声がする。凸凹な連中が、やっとつながってきた。ゴールシーンよりも胸が熱くなるようだった。凸凹フレンズは、変わった。